2012年度のスタジオカラーアニメ映画ランキング 1

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早速見ていきましょう!

77.6 1 2012年度のスタジオカラーアニメランキング1位
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(アニメ映画)

2012年11月17日
★★★★☆ 3.9 (1557)
8486人が棚に入れました
前作『破』終盤で描かれた「ニアサードインパクト」から14年後。葛城ミサトをはじめ旧NERV職員らは、反NERV組織「ヴィレ」を結成し、NERVのエヴァを殲滅すべく活動していた。ヴィレは、式波・アスカ・ラングレーの乗るエヴァ改2号機と真希波・マリ・イラストリアスの乗るエヴァ8号機の2機によって、衛星軌道上にNERVが封印していた初号機を強奪する「US作戦」を実行する。改2号機は Evangelion Mark.04「コード4A」数体から妨害を受けるが、8号機の援護射撃でそれを突破。さらに初号機とともに格納されていたMark.04「コード4B」の迎撃により窮地に陥るも、一時的に覚醒した初号機によって助けられ、初号機とともに地球へと帰還する。

声優・キャラクター
緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、石田彰、立木文彦、清川元夢、三石琴乃、山口由里子、長沢美樹、子安武人、優希比呂

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「どうしたんだい?元気少ないね?」

あーこれはおもろかったw
そう、あれはー、つまり・・・ナディア的に?w


いやはや冗談すw


「序も破も戦闘ばっかであんなのエヴァ違う」とか言ってた野郎がトモダチにいますがテレビシリーズだって前半はバトルエンターティメント
一瞬が命取りの綱渡り感を楽しむバトルアニメだったはず
今作では本格的にシリアスな、、、テレビシリーズで言うところの後半路線に入っていきます(ってか一方的に下り坂な鬱展開なのがホント酷いw)
でもですね、そこはちっとも問題やない(´・ω・`)
新劇がハッキリと“ココが昔のシリーズと違う!”って言える部分は【人間描写】の厚みでしょ


ミサト、加持、リツコ、冬月、ゲンドウ、、、そしてユイ
各々の過去が複雑に絡み合って収束していく群像劇としての完成度、ドラマチックな流れ
その辺を新劇はまったくやる気無いみたいですw
今作ではそれがハッキリとしました
破が終わったときにうっすらと抱いていた期待感は良くも悪くも裏切られ、やっぱりこれは主人公たるシンちゃんの物語なのであって、そこに返す意味での新劇なんだよってこと
だから寝ても覚めてもやっぱり新劇は新劇
旧作とは別作品ですよ
ええ、もちろん良い意味で


今作が序や破から大きく変革したポイントはずばり本田雄さんの総作監就任
『電脳コイル』のキャラデザ、ナディア最終回後のエピローグパート作画、旧エヴァ8話や19話の作監をやられていた“あの本田雄さん”です!
(序ではメカ作監、破ではパート作監を担当されていました)
だからですね
ココすんごく重要よ
テストに出るわ↓↓↓





























そうそうw
我々はコレを待っていたのですよ庵野監督w
旧劇時代のスタッフは忙しくて全然帰ってこないし、そんな中前作から戦線復帰したマヒローが監督就任とかその辺は割りとこまけぇことですw
大事なのはそう、本田さんの絵だからアスカが可愛い
そのポイントに尽きる(キリッ


たぶん新劇になって一番キャラクターが変貌してるのはアスカでしょう
あんなメンタルの弱い女の子がほら、こんなにたくましく育っちゃって・・・(笑)


作品を重ねるごとに増えるCGパート
日進月歩のデジタル技術は色褪せるのが早い、だから個人的にはあんまり喜ばしくないっす
だから逆を言うと【いまが旬】な感じが強いと思いますよ
何年か経って見返すときっとヘボく見えます(早くも序にはもう既に褪せてる感が・・・?)
大丈夫ですってもっとツマンナイ映画なら他にありましたからwww


迷ってないで、イマ観るべし

投稿 : 2024/12/28
♥ : 39
ネタバレ

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』作品紹介と総評

『新世紀エヴァンゲリオン』の「リビルド」作品第3作。
『Q』は『Quickening(急展開)』の頭文字です。
『序』レビュー:http://www.anikore.jp/review/382016/
『破』レビュー:http://www.anikore.jp/review/384527/

副題は"YOU CAN (NOT) REDO."
訳として登場セリフを当てはめるならば、{netabare} 「... 希望は残ってるよ。どんな時もね。」 {/netabare}

さて、前作『破』から約4年…度肝を抜かれました。高く上げられたハードルを、いとも容易く超えてしまった。起承転結で言えば「転」のパートで、物語は急加速します。

しかし、この作品は旧TV版をしっかり観てるか・観てないかによって、捉え方が大きく変わると思われます。その点では、タイトルが「急」→「Q」へと変わったことで、「Q」は「Question」の頭文字でもあるということ、と受け取ることが出来ます。

この作品自体が、庵野監督からの「大きな問いかけ」なのだと感じました。

{netabare}ニアサードインパクトから14年後の世界における、ネルフとヴィレとの(そして使徒との)戦い、エヴァ第13号機によるフォースインパクトの発動を描く。

「14年後の設定」というのを中盤まで信じきれませんでした。
でも、予想は簡単に裏切られました…まさに「急展開」を冠しているだけのことはあります。まさか、『破』での予告が空白の14年のダイジェストだったのか…?
しかし、急展開をしているとはいえ、TVシリーズの第弐拾話『心のかたち 人のかたち』から第弐拾四話『最後のシ者』までをしっかりと描いています。また、 『ふしぎの海のナディア』の楽曲が使用されていたのも印象的で、ヴィレが運用する戦艦『AAAヴンダー』の姿と相まって、随所に展開されるセルフオマージュを楽しめます。

「14年後の荒廃した世界」、「新エヴァ」、「ネルフとヴィレ」、「エヴァの呪縛」、「フォースインパクト」…
どれも予想だにしない展開で、興奮しっぱなしの2時間でした!!
特に、シンジと冬月が将棋を指しながら、ゲンドウやユイの核心を語るシーンはとても良かった。

この作品の特徴は、「碇シンジ」と同様の心理や絶望を体感出来る、「意図的に取り残されるストーリー」にあると思います。
突如14年が経過し、その空白の期間について説明がほとんどないことによる懐疑観、他人に必要とされたいと願ったシンジが、必要とされなくなった世界で感じる絶望観、自らが引き起こした「罪」に対して何をどうしたらいいのかという焦燥感、etc。
「おまえは何が出来るのか?何をしたいのか?何をやり直したいのか?」と問いかけられて、自分の望む結末を実現しようと試みるが、結果的には失敗してしまい、引きこもってしまう。

『Q』全体が碇シンジに対する、そして視聴者に対するとても難解な問いかけなのです。

ちなみに…視聴者に対する問いかけは、新劇場版の結末についてだと思います。『序』と『破』のエンタメ色が強い作品だったことと比べ、『Q』は『旧劇場版』に似た「トラウマを引き起こす」絶望感を感じたためだ。
「『Q』を観てもらったわけだが…『破』の様な爽快な結末を望むか?それとも、旧劇場版の様なトラウマをもう一度作りたいか?」てな具合です。

わりかし理解がしやすかった『序』と『破』に比べ、視聴者を突き放した『Q』は賛否両論を生み出すと思います。しかし、TV版・旧劇場版を観ていたらわかると思いますが、このダークな世界観こそ「これがエヴァだ。」と思えるんですよね。

そして、今作でさらに描かれた謎。
これは本当に『破』の続きなのか?空白の14年にどんな意味があるのか?最後にカヲルが「また会えるよ。」と微笑んだ真相は?マリは結局何者?そして何より、旧劇場版との関連性は??
たった1回の視聴でここまで考えさせられたことには、「さすがエヴァだ。」と言わざる負えない。{/netabare}

来年公開予定の次回、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』はついに最終話。
この問いかけに対する「導き出された回答」を提示してくれることを願って、期待を込めて待ち受けたいと思います。

(11/18:記述)
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2回目観に行ってきました。
やはり、1度観てるので理解度が全然違いますね。

下記、2回目視聴での発見による考察です。

{netabare} ・カヲルとシンジ
初回はホモっぽい演出に面食らいましたが、カヲルが「二人」という言葉を協調していることが気になりました。これは旧劇場版の結末に直結していることでもあります。「一人よりも他者といたい」というシンジの決断を協調しているのではないか?

・ピアノの連弾
「反復練習をすることで、一番いい音を探す」という言葉は、ループ説を表しているのか?

・綾波レイの行方
冬月曰く、初号機の中に取り残されているとのことだが、ネルフにいた溶液に入った綾波は?

・綾波ユイについて
初号機とシンジのシンクロ率が0%、セントラルドグマにいたリリスの頭部が綾波ユイに酷似している点を考えれば、ニア・サードインパクト時にリリスに移った?となると、現初号期の中は綾波レイがいる?

・マリの経歴
ユイの写真にマリに似ている人物がいる、ゲンドウを「ゲンドウ君」と呼んだ点から、ゲンドウとユイの同期?

・インフィニティーズ
ニア・サードインパクトの発生により、人間の魂が集まり「エヴァに似た生物」に昇華した?

・フォースインパクトの発生
シンジが槍を抜く
 ↓
Mk-6再起動、レイが第12使途を開放(ゲンドウの罠)
 ↓
第12使途と渚カヲル(アダムス)が接触し、インパクト発生

・カヲルが第13使途(最後の使途)に降格
TV版で渚カヲル(アダムの分身)が最後の使途として登場したことに呼応している。

・アダムスの器=エヴァMk-9
初見ではアヤナミレイのことだと思ったのですが、フォース・インパクト発動後、エヴァMk-9の腹部にアダムの仮面が現れている。

・エヴァの呪縛
最後にアスカが人間のことを「リリン」と呼んだことから考えて、既に人ではないのか?

2回目の視聴後、やはり「破』の14年後より旧劇場版の延長上の話のような感じがする。リリスの頭部、ネルフ本部襲撃の痕、世界の荒廃…旧劇場版の設定に近いが、シンジとアスカ以外が生きている説明が出来ない…。
やはり、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を待つしかないですね。 {/netabare}
(12/2:追記)

(2/8/編集)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 65

お茶 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ヱヴァンゲリヲンのレビューを書くのが怖い件。

新世紀エヴァンゲリオンって何なんでしょうね。これがなんというか、怖いんですよね。レビュー書く事自体が怖い。それが私自身のエヴァンゲリオンに対する評価なのかも知れない。

しかし急にエヴァのレビューを書きたくなったので、

新劇と旧劇で主に違いを感じるのは、映像のCG化による鮮やかさと、旧劇の時にあった陰鬱な艶。アスカなど動きの多いキャラクターは新劇に映える。レイやカヲルは旧劇の方がミステリアスさに奥行生まれている。キャラクターだけではなく、静止画による印象的なカットの繋ぎとか、そこにピシャリと合うようなセリフや、モノローグが旧劇では特徴的で、だからといって新劇もやはりワンカットの切れは半端ではない。シンジとカヲルの演奏でさえも、完全に再現している。楽譜通りに鍵盤をたたいているのだ。

本作において、特撮モノの音や仕込み、明朝体のタイポグラフィ等々、どれだけの試行を凝らしているか想像の余地もつかない。しかしそれが分からないとしても、何となく他にないものを感じるのは確かなことで、、

私は幼い頃から絵を描いていて、エヴァの作画集を買ってたまにデッサンしたりする。他のアニメも描いたりしますが、エヴァの画は描きたい衝動に駆られる。一番好きなカットは旧劇の初号機に掴まれて、死ぬ直前のカヲル君の微妙な笑み。これが中々上手く描けない。上手い下手とかの問題ではないんですよね。OP曲で流れる一枚絵だって今も鮮明に思い出せる。これは絵の力なのか、作品自体にひきこまれた自分の補正なのか。多分どちらもだろう。

これがあなたが救った第三東京市よ。踏切のシーン。生活感あふれるミサトさんの部屋。これらの幾つものシーンが、いつの日もこの胸に流れている。レイの無機質な部屋でさえもレイの匂いを感じる。エヴァンゲリオンの考察なんて出来ないけれど、これが自分の中にあるエヴァンゲリオンなのだろう。新劇になってポカポカした綾波も、少し距離が出来てしまったアスカも全て、

CG化した新劇の中でひたすら挑戦の輪廻を続けるヒトのように、新たに創造されたセカイ「Q」のAを、いや続きを、ヒトの補完というまだ見ぬ境地を目指す監督の挑戦をずっと見届けたい。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 46
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